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皮膚科の治療について

紫外線療法

紫外線は波長のちがいでA波、B波、C波に分けられます。皮膚疾患の治療に用いられるのは、A波(UVA)とB波(UVB)で、紫外線のもつ光毒性反応を応用しています。UVAやUVBはDNAなどの紫外線吸収分子を励起させることでDNAを障害し、皮膚に浸潤する炎症細胞などの働きを抑制し治療効果を発揮します。UVAは深達性ですがエネルギーが低いので、光毒性物質ソラレンを内服あるいは外用してから照射する必要があります。
UVBは皮膚の浅層に作用し、エネルギーが高いので、皮膚表面の疾患に有効です。UVBのうちナローバンドUVBは、波長が308~313nm付近の極めて狭い範囲の紫外線のことで、紅斑などの副作用が少なく、色素沈着や発癌リスクも低いです。ナローバンドUVBのなかでもとくに308nmのエキシマライトはエネルギーが高く、短い波長をカットしているため、紅斑などの副作用を軽減することができます。皮疹が限局したタイプの難治性皮膚疾患には最適な治療と考えられています。

適応疾患

乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫、悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症。その他、外用療法でも難治な湿疹などにも施行されます。

方法

週1~3回程度、皮疹部に照射します。病変部以外は遮光し、目はサングラスで保護します。陰部には照射しません。1回の治療時間は数分程度。

副作用

照射後の紅斑、総照射量が多くなると光発癌性の問題もあるため、寛解したら中止します。

禁忌

局所に照射する場合はとくにありませんが、光線過敏症には注意が必要です。

(乾癬の光線療法ガイドライン2016)

シミの治療
トレチノインとハイドロキノンを用いたシミの治療

トレチノインはビタミンAの生理活性物質であり、皮膚の細胞の核内受容体に作用して、表皮角化細胞の増殖(ターンオーバーの亢進によるメラニン排出作用)、線維芽細胞のコラーゲン産生促進により、しみ、しわの改善効果があります。
また、皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑えることによりニキビ治療にも有効です。
トレチノインは光、熱に対して不安性であるため、薬は冷暗所で保存し、1ヶ月ごとに新しくします。患部によってトレチノインに対する感受性が違い、使用初期は発赤、皮むけ等が起こることで治療効果を発揮します。赤みなどは徐々に慣れてきます。長期に使用すると耐性を獲得し効果も減弱するといわれているので、2ヶ月ほどで一時中止します。

老人性色素斑、炎症後色素沈着、雀卵斑などのシミの治療には、メラノサイトのメラニン産生抑制効果をもつハイドロキノンとの併用療法が有効です。
顔の濃いしみや、顔以外の老人性色素斑にはQルビーレーザーを第一選択とします。

ハイドロキノン メラニン合成酵素であるチロシナーゼ活性阻害作用が強く、強力な美白剤ですが、漂白作用は可逆的で安全性が高いといわれています。使用時に灼熱感や炎症を誘発することがあります。大半の場合はアレルギー性ではなく刺激性で投与量が多いことにより増悪します。
トレチノインとの併用で刺激が特に強い場合は、トレチノインを一時休薬します。高濃度ハイドロキノンを長期間使用することにより、色素異常をもたらすなどの副作用も報告されています。

ビタミンCローション ビタミンC(アスコルビン酸)は抗酸化作用をもち、紫外線による皮脂の酸化防止、メラニン生成抑制、抗シワ効果、抗炎症効果などが指摘されています。

基本的な使用方法

  • 1.洗顔 こすらないように
  • 2.化粧水 刺激の少ないもの
  • 3.高濃度ビタミンCローション 顔全体に
  • 4.トレチノイン水溶性ゲルをシミの部分からはみ出さないようにベビー綿棒で薄く塗り、1~2分乾かす。はじめは朝、晩1日2回使用する。赤みが強くなってきたら夜のみ使用する。赤み、刺激が強すぎるときはトレチノインを一時休薬する。
  • 5.5%ハイドロキノン軟膏を朝、晩1日2回塗布する。顔全体に塗っても良い。
  • 6.日中は日焼け止めクリームを併用する。夜は乾燥を防ぐオイルなどを塗布する。

Q-SWルビーレーザー

MODEL IB103Q

ルビーレーザーの波長は694nmとメラニン色素によく吸収され、コラーゲンやヘモグロビンにはほとんど吸収されないので、周囲の正常組織のダメージを最小限に抑えながら、メラニン色素を選択的に破壊します。
老人性色素斑、雀卵斑、脂漏性角化症、太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシスなどに有効です。
表在性の疾患の場合は、通常輪ゴムではじかれた程度の痛みがあるので、無麻酔かリドカインテープなどの局所麻酔後に治療します。照射直後は表皮が白くなり(Immediate Whitening Phenomenon)、表皮剥離が起こります。治療後はステロイド軟膏を塗布してガーゼ保護します。1週間程度で上皮化します。術後の炎症後色素沈着は約50%で生じるので上皮化後はハイドロキノンクリームを塗布して予防します。炎症後色素沈着は次第に薄くなるので(1~6か月)、6か月以内の同一部位への再照射は避けます。
太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシスなどの深在性の疾患では痛みが強いので、リドカインクリーム、リドカインテープなどで局麻して治療します。

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